We. The Revolution 概要
「We. The Revolution(我々。革命)」ポーランドのインディーズゲームメーカー、Polyslash開発のストラテジーゲームです。
様々な開発会社で働いていたスタッフたちの集まりで、「ユニークなビジュアルスタイルと没入感のあるストーリーで野心的なゲームを作ること」が目標だそうです。
「the uncommon worlds(風変わりな世界)」へどうぞという言葉の通り、本作の設定もちょっと変わっています。
フランス革命時、暴力的・妄想的な世界。革命裁判所を舞台としたユニークなゲームで、プレイヤーは裁判官として日々持ち込まれる100以上もの問題に対応していきます。彼はゲームでよくある清廉潔白な人物ではなく、アルコール中毒であり、さらにギャンブラーという特性を持っています。
裁判所の議長を務め、革命家とその敵、犯罪者、一般市民など、様々な事件を裁いていき、物語が進むにつれて18世紀のパリに対する影響力を拡大していきます。それと同時に家族と彼自身の命のために戦うことを余儀なくされます。そして時には自らの判断で家族と対立することもあるかもしれません。
革命という時代の中では単に事件を裁けばよいだけでなく、世間にも気を配らねばなりません。間違った判断をしたりして評判を落とせば、自らも断頭台の露と消えてしまう可能性すらあるのです。
様々な人が様々な立場で生きているため、100%善だったり悪である判決はありません。
自らが生き抜くため、時には「道徳的に間違っている」判決を下すこともあるでしょう。革命の運命に影響を与える重荷、責任、強さ。裏での権謀術数、道徳的なジレンマ、個人的な思いに基づく選択などプレイヤーの判断がゲームに大きな影響を与えます。
公式によるゲームの特徴
- 歴史を形作り、誰が生き、誰が死ぬかを決める。
- アレクサンドル・デュマとジョセフ・コンラッドの古典小説のように、フランス革命の抑圧的な雰囲気を体験。
- 多数のユニークで道徳的に曖昧な裁判を管理。
- あなたの判断で家族と向き合う-あなたの愛する人はあなたの決定にしばしば同意しないかもしれません。
- さまざまなライバル陣営の友人や敵を作り、権力を奪う。彼らをあなたの仲間にするか、消してください!
- さまざまなジャンル、ケースビルディングと陰謀作成およびターンベースの戦術を組み合わせます。
- ポリゴンのシンプルさと革命時代の新古典主義の芸術を融合させた、珍しい視覚スタイル。
- 『We. The Revolution』は象徴的な物語であり、大革命の時代の歴史的出来事に大まかに基づいています。革命的な激動の時代で人生を体験してください!
ゲームの流れ
オープニング~プロローグをテキストの日本語訳をしながら細かく説明していきます。
オープニング
父よ。
私はここにいます。
聞こえますか?
私はできる限りのことをしました。なぜ私を認めてはくれないのですか?
あなたの血が私にも流れているのに。どうして?
あなたにとって私はどうでもよいものなのですか?どうして彼を憐れむのですか?
彼は役立たずなのに。
私は彼より優れている。人々は私の歩んだ道を歩む。
父よ…。
フランス。 18世紀が終わろうとしている…
プロローグ
レイモンド・デボエ:
この濁った安酒を飲むのを止めたいと言っていたのを次回思い出させてくれ。またこいつを飲む前に。我々はテミスの顔に泥を塗っている。ん…誰か来たかな?
オープニングが終わると、プロローグが始まります。
酔っぱらった男性が二人、笑いながら廊下を歩いていきます。場面が変わり、法廷のような場所にそのうちの一人が立っています。
テミスとは、ギリシャ神話の掟・秩序・正義の女神。彼も裁判官なのでしょうか。
画面が変わると、少し若い男性と、女性、そして子供が来たようです。
マチルド・フィデレ:
いつかはやると思っていました…。
ベルナルド・フィデレ:
言わんこっちゃない…。
フレデリック・フィデレ:
パパ、行くって言ったのに…、約束したのに…。
レイモンド・デボエ:
パパにはたくさんの…仕事があったんだ。
ベルナルド・フィデレ:
ああ、たくさんの重いグラスがね…。
マチルド・フィデレ:
約束したのに…もう我慢できない…うんざりだわ。
フレデリック・フィデレ:
ママは怒っているよ、だって…。
ベルナルド・フィデレ:
黙ってな。
マチルド・フィデレ:
今日、あなたの大事な息子は、父親より高潔であることを示すために喧嘩をしました。5歳の少年が。なんてこと!
お隣は説明しろと言っているけど…まあ、あなたは正義のために戦っていた。居酒屋で。馬鹿みたいに飲んだくれて…。
ベルナルド・フィデレ:
母さん…。
パパ、ということはこの子は自分の息子ということになりますね。苗字が同じなのでこの新しくやってきた3人は自分の家族のようです。
どうやら、自分が家に帰らず外で飲んだくれている間に小さな息子は誰かと喧嘩をしてしまったようです。 子供との約束を守らずきちんと家庭を顧みていないと妻は思っているようで、かなりご立腹のようです。
画面の見方の説明が入ります。まずは自分の机の上にあるもの。これらを使って、状況を把握し、事件を解決していきます。まず、隅々までくまなく確認しておきましょう。机の上の種類や本は、ドラッグアンドドロップで自分の好きなところに置くことができます。
- Documents and Letters(書類と手紙)
ドキュメントをドラッグアンドドロップしてレイアウトを管理できます。クリックでその内容を表示します。 - Events(事件)
イベントに反応します。それらを無視すると、重大な結果を招く可能性があります。 - Notebook(ノート)
現在のイベント、アクション、キャラクターに関する詳細情報を確認します。 - Verdict(評決)
影響を考慮し、被告の運命を決定します。
画面上部に表示されているもの。メニューや現在の状況などが確認できます。
- Options(オプション)
ゲームの設定を変更します。 - Hierarchy(階層)
パリの現在の権力のバランスとその中での自分の立場を確認してください。 - Intrigues(陰謀)
陰謀は、あなたと他の政治家との間の複雑な対立です。敗北はあなたにとって悲惨な結果になるかもしれません。 - Influence Points(影響ポイント)
影響ポイントは、ゲームの主要通貨です。それらを賢く使用してください。 - Notifications(通知)
あなたの影響力と勢力との関係の変化に細心の注意を払ってください。 - Global Modifiers(世界情勢)
ゲームの世界におけるあなたの決定と変更のいくつかは、世界情勢を動かすかもしれません。これらの要因は、関係、評判、影響力に影響します。これらはノートブックで確認できます。
一通り確認したら、息子に話を聞きたいところです。しかし、息子をクリックしてみるとQuestions for the defendant(被告への質問)はロックされています。
まず、質問を引き出すために状況の確認をしなければなりません。
Case File(事件簿)
机の上にあるファイルを確認します。case file(事件簿)で今回の事件の概要を把握しましょう。これ尾をよく読まないとただし判断ができませんので注意して読んでください。
一番下の虫眼鏡をクリックするか、テキスト内の赤字部分をクリックすると手がかり(Links)を解き明かしていくことができます。
Case File(事件簿)
アレクシス・フィデレ裁判官へ
あなたの息子はこの種の問題を起こすと思っていませんでしたが、どうやら、そうではなかったようです。罪のない子供たちの遊びは、私たちの子供に対する攻撃に変わりました。
幼いアンソニーは現在、前歯が欠けています。それに対してあなたがあなたの子供を罰することを願っています!状況が繰り返される場合、より厳しく対応します。裁判官だったとしても、ギャンブラーで飲んだくれに…子供たちを傷つけさせません!
虫眼鏡か赤字テキストをクリックすると、Finding Links(つながりを見つける)画面に変わります。
被告に対する質問のロックを解除するための正しいリンクを見つけてください。調査を選択し、適切なカテゴリにリンクします。
右側にはPossible mistakes(間違えることができる回数)とNumber of traps(「罠」の数)が示されています。問題解決に関係のない事象が事件簿には往々にして含まれています。それを選んでしまうと「罠」にかかったとしてミスの回数に数えられてしまいます。
Possible mistakesの下にQuestions to reveal(明らかにする質問)の数が出ていますのでこれを参考に正しい事象を選んでいきましょう。
下記の画像を例にすると、考えなければいけない事実は5つ。Child ‘s play(子供の遊び)、Fighting children(喧嘩)、Injured Antoine(アンソニーのケガ)、Chipped tooth(欠けた歯)、Possibility of repeating(繰り返す可能性)。そのうち必要なのは4つです。一つが不要な事象「罠」であるということがわかります。
これらの事実がなんであるかを、Course Of Events(事件の原因)、Extenuating Circumstances(情状酌量すべき状況)、Victim(被害者)のどれかと結び付けていく作業をしていきます。今回はこの3つですが、場合によってもっと増えるようです。
まず5つの事実のアイコンアイコンをのどれかを選択して、それが事件の原因、情状酌量すべき状況、被害者のどれであるかを選んでください。正解すれば被告人への質問がアンロックされ、失敗であればペナルティが付きます。4つの質問がアンロックされればOKです。失敗するとアイコンに×マークがつき、さらに規定回数以上間違えるとロックがかかり、それ以上質問をアンロックさせることができなくなります。
こうなってしまうと、即ゲームオーバーにはなりませんが、重要な証言などが聞けなくなり評決に影響が出る可能性があるので可能な限り避けたいです。判断を誤ると評判や世界情勢に影響が出て、ストーリーが変わる可能性もあるので十分に注意しましょう。
News(情報)
次は手紙を見ていきましょう。手紙をクリックすると今回の事件に直接かかわらないが、世界の情勢や自分の評判に関わる情報が書かれているようです。
その内容をよく読んで、自分がどう対応するか決め、「Make Your Decision(決断する)」を選びます。すぐに効果は出ないようですが、この判断が後々影響を及ぼしてきそうなので慎重に選んでください。
Neighbourhood Gossip(隣人の噂)
あなたの中毒(ギャンブル、飲酒)はもはやだれもが知っています。他の子どもたちがそれを理由にあなたの子供をいじめているというのは小さな問題です。しかし、誰がそれらの噂を広めているのでしょうか?それは彼らの親の一人である可能性が高いのです。彼は子供の耳に、遊んではいけない人とその理由をささやいていたかもしれません。嘘で話を盛っていた可能性もあります。しかし、次にそれを聞くのは誰でしょうか?
近所の人が、酒癖の悪いおうちの子と遊んじゃいけませんというのは、ありがちな話です。そこまでは良しとしても、悪いのはそのあと。話をモリモリに盛って、ひどい悪口になっている可能性があるということです。そしてそれが近所の子供から、自分の政敵や、市民に聞かれたら…?自分の立場に多大なる影響が出てしまうのは想像に難くないですよね。ですのでそれにどう対応するか決めましょう。
今回選べるのは、Intimidate parents(親を脅迫する)、Let’s talk eye to eye(目と目で会話)、Ignore(無視)です。ただしここで行動するにはInfluence Points(影響ポイント)が必要となり、自分が持っているポイント以上の行動はできません。また、すべて使い果たしていいのかどうか、よく考えて判断しましょう。 Influence Points(影響ポイント)
は画面右上の数字ですので確認してから選ぶようにしてください。
Notebook(ノート)
ノートを確認してみましょう。プロローグ時点では見れる情報もあまりないのですが、左側、自分の像の上、Relations(関係)とあるのが自分と、Common Folk(一般市民)の関係。そしてRevolutionaries(革命家)たちとの関係です。どちらに肩入れするのか、バランスよくいくのか…ストーリーが進むにつれて変わっていくものと思います。
自分の像の周りにあるメーターはReputation(評判)。これは高いほうがいいと思われます。
下、Sections taken over(引き継がれたセクション)この「セクション」 が今のところ何を指しているのかわからないんですが、Influenceは影響ポイントを指しています。
右の本の部分、タブ一番左。Global Modifiers(世界情勢)は、それによる影響があるときに表示されます。右側のSentences(宣告)は上からDeath Penalty(死刑)、Prison(投獄)、Acquittal(無罪)となり、自分が出した宣告の数か人が表示されるのではないかなーと思います。
真ん中のタブは、List of days(日付のリスト)。日付や章だと思います。右はEvents(事件)。こちらも事件が増えれば表示されるでしょう。
右のタブはPeople(人物)今はFriends and family(友人と家族)で、現在登場している人物が表示されています。左で誰かを選択すると右に詳細が出ます。人物を確認したいときに使用しましょう。
Questions for the defendant(被告への質問)
先ほど事件簿で質問のロックを解除しましたので、息子をクリックすると4つの質問ができるようになっています。順にみていきましょう。
1つ目の質問
アレクシス・フィデレ:
遊んでいたのがどうして喧嘩になったんだ?
フレデリック・フィデレ:
隣のアントワーヌとジャンが…パパの悪口を言ったんだ。護衛ごっこをしていたんだけれど、あいつらは僕に酔っ払いのふりをしろって言ったんだ…パパみたいに…。
アレクシス・フィデレ:
2人いっぺんに喧嘩したのか?
フレデリック・フィデレ:
そうだよ。
2つ目の質問
アレクシス・フィデレ:
彼らは正確には何と言っていたんだ?
ベルナルド・フィデレ:
酔っぱらいすぎててわかんないんじゃないの?
アレクシス・フィデレ:
お前には聞いてないぞ。
フレデリック・フィデレ:
あいつらはパパが怒鳴ってたって言った…ええと…僕は言ったんだ、それは嘘だって。そしたらあいつらは僕の名前を呼んだ。「酔っぱらいの息子」って。
3つ目の質問
アレクシス・フィデレ:
誰が最初に手を出したんだ?
ベルナルド・フィデレ:
終わらせたのは誰か知ってる…。
フレデリック・フィデレ:
うーん、多分…僕だと思う。左に向けて蹴ってそれから右にもやろうとしたんだけど、でも…。
ベルナルド・フィデレ:
でも彼らがやめさせた。
フレデリック・フィデレ:
あいつらは僕を地面にたたきつけてやり返してきた。
4つ目の質問
アレクシス・フィデレ:
実際アンソニーの歯を折ったのか?
ベルナルド・フィデレ:
フレデリックはただの子供だよ。
フレデリック・フィデレ:
わからない…でもやってないと思う。
アレクシス・フィデレ:
彼の顔を殴ったか?
フレデリック・フィデレ:
あいつを蹴とばしたけど、そんなに強くなかったよ…。
Verdict(評決)
これで喧嘩の状況について息子の話を聞き終えました。今まで見てきたすべての状況から判断して、評決を出さなければなりません。机の上のVerdict(評決)を選択してGuilty(有罪)またはNot Guilty(無罪)を選びましょう。それから下のSignature(署名)をクリックすると、署名して評決が確定します。
今回は諸々の状況から「Not Guilty(無罪)」を選択しました。
アレクシス・フィデレ:
お前はよくやった。男は何があっても家族の名誉を守らねばならない。
MEMO |
ちなみに、有罪を選んだ場合、このセリフが「残念だが、理由の如何を問わず喧嘩はいけないことだ。」となります。そこ以外に違いはありません。勿論、それ以降のストーリーでは下した判断により大きく影響が変わる可能性がありますのでご注意ください。 |
マチルド・フィデレ:
子供たちは小さいけれど、すでに真実を知っている – 私の子供たちの父親は嘘つきの飲んだくれで、ギャンブラー。ベルナルドはあなたを敬愛していたけれど、彼はすぐに大きくなった。次はフレデリックが通りにこだまする真実を学ぶ番だわ。
そして、レイモンド?あなたは私の夫の指導者では? – これがあなたが彼に教えたかったことなの?間違いを繰り返して家族を失う方法を?
レイモンド・デボエ:
マチルドがそんなに怒っているとは思わなかった。
アレクシス・フィデレ:
私もだ…。
マチルド・フィデレ:
いつものように外で待っているわ。
そんなに怒っているとは思わなかったなんて、世の主婦たちに最も言ってはいけないセリフ(笑)ですね。これから家族とも向き合っていかなければ、妻から捨てられてしまいそうです。
プロローグの終わり
アレクシス・フィデレ:自由
我々は自由という考えに魅せられている。
それにあらがうことはできない…。
アレクシス・フィデレ:家族みんなで町へ繰り出した。
フランスは決して幸せではなかった。
アレクシス・フィデレ:我々は自由という考えに魅せられている。
まとめとTips
ということで、プロローグをクリアしました。家族は楽しく歩いていますが、通りでは誰かが処刑され、フランスの行く末には大きな暗雲が立ち込めているようです。
主人公のアレクシスも、飲んだくれのギャンブラーというろくでもない男ということでここからストーリーに大きく絡んできそうで楽しみですね。
実際の歴史ではマクシミリアン・ロベスピエールを中心としたジャコバン派が設立した「革命裁判所」はフランス国王ルイ16世や王妃マリー・アントワネットの処刑をはじめ、貴族・聖職者、果てには穏健派であるジロンド派の市民たちすら捕らえて処刑するようになっていきます。貴族の専制政治をうち破るところから開始し、ブルジョワジー、中産階級すら仇とした低層民たち。泥沼のフランス革命の中主人公は日々行われる裁判にどう対応し、どのようにパリに影響を与えていくのか。そして、自分とその家族を守れるのか。うーん、陰謀の香りがしますね!(笑)
さて、裁判官ということで、テキストをきっちり読み込んでいかないといけないので、割とハードルが高そうな雰囲気です。今のところ公式での日本語対応はなく、有志の日本語化もないようです。以前にも紹介した、Capture2textというツールを使ってプレイしています。まあまあ内容が理解できるくらいには翻訳してくれていますし、ゲームに時間制限もなさそうなので、じっくり読み込んでプレイしてみてはいかがでしょうか。
ちょっと面白そうなので、今後ゆっくりストーリーをプレイしつつ日本語訳もしてみようかなと思います。
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Tips:オープニングのムービーなど、飛ばしたいときは画面を右クリックし続けると、Skipできますので何度も見なくていい!という方はお試しください。